ミニマルファブ・シャトルサービス

ミニマルファブは、LSIを1個から製造できる画期的な生産システムです。製造期間が現状で10日程度と非常に短いのが特徴です。産総研以外では、東京三鷹にある横河ミニマルアプリケーションラボで、デバイスを試作できます。

シャトルサービス試行を2019年実施しましたが、 プロセス不良により中止しました。詳細は、2019年のミニマルファブシャトルサービス試行記録 をご覧ください。

2024年現在、お台場にある産総研ICPSに設置されたミニマル装置群を使ったウェーハシャトルサービスの実現を目指しています。そのためには、製造プロセスと装置を安定させることが必須であり、プロセス・デバイス担当者は地道な努力を続けています。それを加速するとともに、ファブシステム研究会内での協力者の掘り起こしを目的として、2024年6月20日に、ミニマルファブ推進機構のファブシステム研究会の中に、LSI試作ワーキンググループを発足しました。発足の背景は、DSFオフ会でミニマルLSI設計ワーキンググループを紹介 のニュースをご覧ください。  ミニマルファブ推進機構への入会は、https://www.minimalfab.com/about/ で受け付けています

シャトルサービスでは、オープンな開発環境を用意します。少量多品種のLSIの製作を容易にし普及するには、オープンな開発文化を醸成することが不可欠だと考えます。プリント基板を使ったボード設計では、市販部品を利用できますが、自分でLSIを作製する場合、部品をすべて用意しなくてはなりません。現在、すこしずつ部品を整備している段階なので、ボード設計とは比較にならない厳しい状況です。そこで、皆さんに協力いただいて部品を整備したいと考えております。シャトルサービスはそのための手段でもあります。部品の開発、とりわけアナログ回路の設計は知識と経験が必要ですが、幸い、LSI設計を経験した退職者もいます。電子回路設計に興味のある若者も一定数いると思います。ミニマルファブを使ったLSI開発において、オープンな協力関係ができ部品や設計ノウハウが蓄積すれば、少量多品種のLSI開発はずいぶんやりやすくなるのではないでしょうか。

今回のシャトルでは、ファブ(ラボ)と秘密保持契約(NDA)を結ぶ必要はありません。ミニマルファブ用PDKは、オープンソースの無償ツールに対応しているので、設計ツール(ミニマルEDA )に費用はかかりません。設計環境を自前で用意しなくても設計ツールを使えるように無償のEDAサーバーも用意しています。

設計例と、それをミニマルEDAサーバで試すことのできる設計環境の作りかた(ツールのインストール、PDKの設定、設計データの取得まで)は、設計環境の準備と設計例 をご覧ください。

シャトルの試行には、設計データをオープンにすることを条件に、無料で参加していただくことができます。企業からの参加は、アナジックス(sales@anagix.com)またはロジックリサーチ(sales@logic-research.co.jp)にご相談ください。