ICD研究会「第2回オープンソース集積回路設計ワークショップ (夏の合宿)」でOpenPDK方式について講演します

Posted at 2022/10/08 0:16:00

電子情報通信学会のICD研究会が10/16,17に開催する「第2回オープンソース集積回路設計ワークショップ (夏の合宿)」で、招待講演をします。申し込みは以下をご覧ください:

https://ken.ieice.org/ken/form/index.php?tgs_regid=01503f2d07e5b86f814b60f7165cd68d55e7effe2d79958d748aa2bd801a9ce7&cmd=info&lang=&fbclid=IwAR19p2m4yNZiL7kWrt1-adfcFPZvKDbnDUVCULwzV0F3-mnOBgSE9ZbjBYI

私の講演タイトルは、”少量多品種LSI開発のためのOpenなPDK開発手法とEDA”です。Skywater 130nm PDKが注目されてますが、OpenPDK方式で開発されたPDKだとSkywater以外のファブも選ぶ自由があるよ、という話をします。この合宿のメインテーマは、SkywaterのMPWを使ったLSI開発ですが、世話役の先生から、「参加者には「オープンなIC = OpenMPW」ととらえて欲しくないと思っておりまして,OpenPDK,MinimalFab についてご紹介いただけるのは大変有益と思います」と言われておりますので、ご期待に応えたいと思います。

概要: 個人やベンチャーでもLSI開発ができるようにするためには、ニーズにあったファブを選択したいですが、NDAが要求されファブごとに異なるPDKがそれを難しくしています。今回はPCell(パラメタライズドセル)に焦点をあててOpenPDK方式によるPDK開発について紹介します。OpenPDK方式でPDKを開発すれば、例えばOpenRule1um, MinimalFabのSOI CMOS, Skywater 130nmで同じ’"look and feel"のPCellを使うことができます。したがって(問題はいろいろあるでしょうが)、プロセスポーティングが容易になり、設計IPの流通と再利用を促進できます(これは高付加価値の少量多品種品の開発に不可欠です)。

 OpenPDK方式は、NDAを要求する(国内の)ファブのPDK開発にも適用でき、OpenPDK方式が基本的にオープンソースであることから、PDKの品質向上と開発リソースの削減を期待できます。OpenPDK方式を採用するファブが増えれば、我々利用者にとって、ファブ選択の自由度が大きくなります。Skywater130nm PDKはオープンソースで公開されNDA不要であるのはすばらしいですが、実は、Skywaterのファブでしか製造することができず、我々(私?)の期待に応えるものではありません。


森山が発表させていただきますが、ロジックリサーチの土屋さん、若杉さん、浦さんにご支援いただいております。