6/9,10の電子回路研究会(@山形)でアナログ集積回路IPの公開事例を発表

Post date: 2016/05/24 2:46:00

電気学会の電子回路研究会(@山形県鶴岡市)で、 「MakeLSI:ギターエフェクタ回路オープンソースハードウェア公開事例」というタイトルで発表します。3/8の研究会では、MakeLSI:運動に参加しギターエフェクタ用カスタムLSIを開発したことを報告しました。MakeLSI:とは、集積回路(LSI)の開発を自分たちの手に取り戻すだけでなく、LSIを道具として容易に使うことができるようにする運動です。この事例を参考にして、自分のLSIを開発できる人がひとりでも増えればよいと考えていますが、集積回路とりわけアナログ集積回路には以下の課題があり、開発は容易でないのが現実です:

・設計技術の習得に時間がかかる(多くの基礎理論をベースとしている一方ノウハウも多い)。

・デジタル回路と違って、自動設計ができない(あるいは遅れている)。

・多くの設計ツールを使いこなす必要がある。

ギターエフェクタ回路の設計情報は、すでにオープンソースハードウェアとしてGithub上に公開しています。しかし、初学者(あるいは非専門家)が、これらの情報だけから設計全体を理解し、利用するのは難しいと思われます。我々の開発するLSI設計環境(ALB/ALTA)を設計データのポータルとしてGithubにアクセスすることで、初学者でも設計情報を容易に再利用できることを示すのが今回の発表の目標です。

ここで開発した技術は、MakeLSI:のようなオープンな活動だけでなく、企業での設計IPの開発と再利用にも使えます。これまで、さまざまな障壁によりカスタムLSIの開発ができなかった企業に注目していただけたら幸いです。