ミニマルファブにミニマルEDAを実適用

Posted at 2020/6/5 12:45:00

ミニマルファブのような少量多品種LSI開発のためにミニマルEDAを開発しています。今回はじめてミニマルEDAをミニマルファブでの開発に適用し、そのために専用のPDKを開発しました。使用したファブは、東京三鷹の横河本社にある横河ミニマルアプリ―ケーションラボです。装置のデモが主目的のファブのため、PMOS素子と拡散抵抗のみを使ったLSI開発しかできませんが、実質3日で開発することができました。開発期間の短いミニマルファブの利点を活かすには、ミニマルEDAの整備が不可欠です。

横河ミニマルファブ専用のPDKは、MakeLSI:プロジェクトで開発したNDA不要なOpenRule1um用のPDKを流用することで極めて短期間に開発することができました。しかしながら確認が不十分だったために、シート抵抗を1桁大きく設定したミスや、PMOSのゲートのLを10umにしたつもりがL定義の誤解により6umになっていたというトラブルが発生しました。試作工程がスタートしてから拡散が終わったところで作業をストップしていただき、上記ミスを挽回するためのレイアウト修正をおこないました。このように、きわめて短期間に、ミスを経験しさまざまな検討をすることができたので、技術者育成の場としてのミニマルファブの価値を再確認する機会になりました。