回路図ファイルの形式

この文書は、Qucsの回路図ファイルの形式について記述します。この形式は、回路図(通常修飾子は.sch)とデータ表示(通常修飾子は.dpl)に使われます。以下のテキストは、回路図ファイルの短い例です。

<Qucs Schematic 0.0.6> <Properties> <View=0,0,800,800,1,0,0> </Properties> <Symbol> <.ID -20 14 SUB> </Symbol> <Components> <R R1 1 180 150 15 -26 0 1 "50 Ohm" 1 "26.85" 0 "european" 0> <GND * 1 180 180 0 0 0 0> </Components> <Wires> <180 100 180 120 "" 0 0 0 ""> <120 100 180 100 "Input" 170 70 21 ""> </Wires> <Diagrams> <Polar 300 250 200 200 1 #c0c0c0 1 00 1 0 1 1 1 0 5 15 1 0 1 1 315 0 225 "" "" ""> <"acnoise2:S[2,1]" #0000ff 0 3 0 0 0> <Mkr 6e+09 118 -195 3 0 0> </Polar> </Diagrams> <Paintings> <Arrow 210 320 50 -100 20 8 #000000 0 1> </Paintings>

このファイルにはいくつかのセクションが入っています。以下でそれぞれを説明します。すべての行は、小なり記号(<)で始まり大なり記号(>)で終わる1つを 超えることのない情報ブロックから構成されます。

Properties

この最初のセクションは <Properties> で始まり、 </Properties> で終わります。 これには、ファイルの文書としてのプロパティが含まれます。以下のようなプロパティがサポートされています:

  • <View=x1,y1,x2,y2,scale,xpos,ypos> には、最初の4つの数字で、回路図ウィンドウのピクセルの位置、(最後の2つの数で)現在のスケール、それから現在の左上のコーナの位置が入っています。

  • <Grid=x,y,on> には、グリッドの距離をピクセルで(最初の2つの数字)、それからグリッドがオン(最後の数字が1)かオフ(最後の数字が0)かを含んでいます。

  • <DataSet=name.dat> は、この回路図に関係したデータセットの名前を含みます。

  • <DataDisplay=name.dpl> には、この回路図に関係したデータ表示のページのファイル名(または、文書がデータ表示であるなら、回路図の名前)が含まれます。

  • <OpenDisplay=yes> には、もしもデータ表示のページがシミュレーション後に自動的に開くなら1、そうでなければ0が入ります。

Symbol

このセクションは <Symbol> ではじまり </Symbol> で終わります。これには、ファイルに対する回路図シンボルを生成する作図要素が含まれます。これは、通常サブサーキットのための回路図ファイルのためだけに使われます。

Components

このセクションは <Components> で始まり </Components> で終わります。 これには、回路図の回路部品を含みます。各行のフォーマットは以下の通りです:

<type name active x y xtext ytext mirrorX rotate "Value1" visible "Value2" visible ...>

  • type は、部品の識別するもので、例えば抵抗なら R、キャパシタなら C です。

  • nameは、回路図中の部品のユニークな識別子、例えば最初の抵抗なら R1です。

  • active欄の 1 は、その部品がアクティブであること、すなわち回路図で使われることを示します。0は、アクティブでないという意味です。

  • 次の2つの数字は、部品の中心のx座標とy座標です。

  • その次の2つの数字は、部品についてのテキストの左上のコーナのx座標とy座標です。それらは、部品の中心に対する相対位置です。

  • その次の2つの数字は、x軸についてのミラーの有無(1ならミラーあり、0はなし)と逆時計回りの回転(90度の倍数、つまり0...3)を示します。

  • その後は、部品のプロパティの値(引用符の中)とそれに続いて、プロパティが回路図上に表示されるなら1(そうでなければ0)という項目が続きます。

Wires

このセクションは、<Wires> で始まり、</Wires>で終わります。これには、配線(回路部品の間の電気的な結線)とそれらのラベルとノードセット情報が含まれます。行の形式は以下のようになります:

<x1 y1 x2 y2 "label" xlabel ylabel dlabel "node set">

  • 最初の4つの数字は、配線のピクセル座標:開始点のx座標、開始点のy座標、終止点のx座標と終止点のy座標、です。すべての配線は、水平方向(両方のx座標が同じ)または垂直方向(y座標が同じ)でなくてはなりません。

  • 引用符に囲まれた最初の文字列はラベルの名前です。それは配線にラベルが 付けられていなければ 空白です。

  • 次の2つの数字は、ラベルのx座標とy座標であり、ラベルが 無ければ0です。

  • その次の数字は、配線の開始点と配線に付けられたラベルの位置の間の距離です。

  • 最後の引用符に囲われた文字列は、この配線のノードセット電圧、すなわちシミュレーションエンジンが解を見つかるために使うノード電圧の初期値です。この配線がユーザによりノードセットされていなければ空白です。

Diagrams

このセクションは<Diagrams> で始まり</Diagrams>で終わります。これは、グラフとマーカの図を含みます。行の形式は以下の通りです(改行は禁止されてます):

<x y width height grid gridcolor gridstyle log xAutoscale xmin xstep xmax yAutoscale ymin ystep ymax zAutoscale zmin zstep zmax xrotate yrotate zrotate "xlabel" "ylabel" "zlabel">

  • 最初の2つの数字は、左上コーナのx座標とy座標です。

  • 次の2つの数字は、図の境界の幅と高さです。

  • 5番目の数字は、グリッドがオンなら1、オフなら0です。

  • その次は、グリッドの色を24ビットの16進数のRGB値(例えば、#FF0000は赤をあらわす)です。

  • その次の数字は、グリッドのスタイルを決定します。

  • その次の数字は、どの軸がログスケールかを決めるものです。

Paintings

このセクションは<Paintings> で始まり、</Paintings>で終わります。これには、回路図に含まれる絵柄が入っています。

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