ミニマルファブSOI CMOSプロセスを使った 乗り合いLSI試作の検討

Posted at 2022/1/22 23:21:00

ミニマルファブは、多品種変量のLSIを開発するための新しい生産システムですが、産みの苦しみとも言える厳しいフェーズを迎えています。産総研が中心となって国プロとしてスタートし、これまで中小の装置メーカを巻き込んで装置開発に邁進してきました。JAXAが産総研と横河アプリケーションラボの両方で1000素子レベルの小規模なALU回路の開発に成功し、今回の乗り合いLSI試作を行うところまできました。しかし装置とプロセスの安定性は、量産を可能とするレベルにありません。社運をかけてミニマルファブによるLSI量産に取り組む企業があらわれない中で、試作回数を飛躍的に増やす手段として、乗り合い試作のシャトル・サービスを提案しました。教育や研究開発には非常に使い勝手のよいシステムとなりうる上に、多品種変量LSI設計に不可欠なIPの整備も進みます。次回の試行は3/1を予定してます。ミニマルファブとシャトルサービスは、回路設計者自身のためのものです。ぜひ試行に参加し、ミニマルファブによるLSI開発を体験し、ファンになっていただきたくお願いいたします。

このWhite Paperでは、ミニマルファブのSOI CMOSプロセスを使ったLSI設計のためのミニマルEDAとPDKを紹介し、昨年12月に試作したシャトル試行の内容の概略を述べます。